西行歳暮和歌七首
2014年 12月 31日
西行歳暮和歌七首
題しらず
567
山ざくら 思ひよそへて ながむれば 木ごとの花は ゆきまさりけり
仁和寺の御室にて、山家閑居 見雪といふことをよませ給ひけるに
568
降りつもる 雪を友にて 春までは 日を送るべき み山辺の里
山家冬深
569
訪ふ人は 初雪をこそ 分け来しか 路とぢてけり み山辺の里
570
年のうちは 訪ふ人さらに あらじかし 雪も山路も 深き住処を
世を遁れて、鞍馬の奥に侍りけるに、筧氷りて、水もうで来ざりけり。春になるまでかく侍るなりと申しけるを聞きて、よめる
571
わりなしや 氷る筧の水ゆゑに 思い捨ててし 春の待たるる
みちのくににて、年の暮れによめる
572
つねよりも 心細くぞ 思ほゆる 旅の空にて 年の暮れぬる
山家歳暮
573
あたらしき 柴の編戸を たてかえて 年のあくるを 待ちわたるかな
今年もこの拙いブログに訪れてくださった皆さん、どうか良き新年をお迎えくださいますよう。
by hosi111
| 2014-12-31 19:33
| 日記・紀行