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図書館の利用

 


昨日久しぶりに近所の図書館へ行った。主な目的は、ハンチントンの『文明の衝突』とフランシス・フクヤマの『歴史の終焉』を借りるためである。この二つの本はもうとっくの昔に出た本であって、いまさらと言う感じがしないでもない。しかし、たとい遅まきながらでも、世評に上った本でもあるし、歴史問題や、今日の世界情勢を見る上で興味も持てそうなので、借りに行った。


ハンチントンの『文明の衝突』はすぐに見つかったが、フクヤマの『歴史の終焉』はなかった。誰かが借り出しているためにないのではない。在庫としてないのである。これほど、世評に上った本を、我がX市の公共図書館では誰一人読もうとしなかったということなのだろうか。


 


今日は第三章まで読む。書評も書いておくつもりである。ヘーゲルの『歴史講義』を読み慣れた眼からすると、地理的な国際関係論としての諸文明関係論としては、そこに内在する歴史的理念を認識しようという問題意識がないように思えることである。この点については、フクヤマの方が、深そうである。


 


いずれにせよ、西洋人は文明論や歴史論が好きである。そうして、実際、名著愚著を織り交ぜて、毎年こうした文明論、歴史論の刊行される欧米の学界に教養の伝統を感じもする。わが国も、多くの文明論歴史論の刊行されることを望む。 その100冊の中から、一冊の名著が得られれば幸いである。


 


結局、『歴史の終焉』は取り寄せを依頼して、そのほかに、田中直毅氏の『市場と政府』、それにポール・クルーグマンの『嘘つき大統領のデタラメ経済』の二書を借り入れて帰る。後者は原題は『THE GREAT UNRAVELING  Losing  Our  Way  in the New Century 』である。何と言う表題をつけるのだろうかと思った。それを認める訳者も訳者である。内容は、ニューヨーク・タイムズに掲載されたコラムの編集である。


 


 


 


 


by hosi111 | 2005-07-15 08:27